消費税 – 海外クラウドサービス費用の取り扱い

はじめに

海外クラウドサービス、いわゆる「国境を越えた役務の提供」について、具体的なサービスごとに消費税の取り扱いを整理してみる。

規定のおさらい

下図の通り。詳細は『消費税 – ECプラットフォーム販売手数料の取り扱い』参照。

なお、「消費者向け」のサービスと判定されるための具体的な要件は以下の通り。

  • 広く消費者を対象に提供されている電子書籍・音楽・映像の配信等
  • ホームページ等で、事業者を対象に販売することとしているものであっても、消費者をはじめとする事業者以外の者からの申込みが行われた場合に、その申込みを事実上制限できないもの

各サービスでの当てはめ

Facebook広告

Invoiceに以下の記載あり。

改正消費税法(2015年)に従い、Facebook Irelandが提供するインターネット上の広告掲載サービスは、国外事業者により提供された事業者向け電気通信利用役務の提供に該当いたします。国外事業者により提供された事業者向け電気通信利用役務に対する消費税については、リバースチャージ方式の対象となる ため、サービスを利用したお客様の側で申告、納税していただく必要がございます。消費税法の改正の詳細については、以下の国税庁のウェブサイトをご確認ください。

これは、下記規定の要請に対応したもの。

「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行う国外事業者は、当該役務の提供に際して役務の提供を受けた国内事業者に消費税の申告・納税義務が課される(リバースチャージ方式による申告対象の取引)旨を、あらかじめ表示しなければなりません。「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、当該役務の提供を行う国外事業者が申告・納税を行う必要があります。

よって、「事業者向け」のサービスであり、原則「リバースチャージ方式による申告対象の取引」となる。なお、課税売上割合が95%以上である事業者や当該課税期間簡易課税を適用している事業者については、当該取引のリバースチャージ方式による申告が免除される一方で、仕入税額控除の対象とすることはできない(仕入税額控除の対象外)。

ひと言

Facebookの広告って「消費者をはじめとする事業者以外の者からの申込みが行われた場合に、その申込みを事実上制限できない」と思うのだが…。まぁ、請求書にがっつり明記されているし、広告は基本的に事業者が使うものなので「事業者向け」ということで。

(追記:2018/03/09)
「広告プラットフォーム=事業者向け」と例示列挙されているので、このような取り扱いになっている。

MailChimp利用料

InvoiceにFacebookのような文言の記載はない。したがって、以下のように判定。

  • MailChimp, United States
  • 事業者のみの利用制限がないため「消費者向け」に該当。
  • 『登録国外事業者名簿』の登録なし。

∴ 仕入税額控除の対象外

Shopify利用料

MailChimp同様、特段文言の記載なし。したがって、以下のように判定。

  • Shopify Inc., Canada
  • 事業者のみの利用制限がないため「消費者向け」に該当。
  • 『登録国外事業者名簿』の登録なし。

∴ 仕入税額控除の対象外

Cratejoy利用料

ここも上2つと同様に判定。

  • Cratejoy, Inc., United States
  • 事業者のみの利用制限がないため「消費者向け」に該当。
  • 『登録国外事業者名簿』の登録なし。

∴ 仕入税額控除の対象外

所感

よほど有名なサービスでない限り、Invoiceに「リバースチャージ方式の対象…」の記載はないだろうし、また「国外事業者」としての登録もないだろうという印象。いずれにせよ、課税売上割合が95%以上であるような事業者であれば、海外クラウドサービスの利用料は、基本的に「仕入税額控除の対象外」として扱っておけば大ケガはないと思う。

Source

兵庫県西宮市生まれのフリーランスRailsエンジニア。海外を拠点にデジタルノマド生活中。/ 前職・資格:公認会計士 / プログラミング言語:Ruby, JavaScript, HTML, CSS / 日本語・英語
コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です