所得税 – 確定申告の基礎と実務(基礎編)

はじめに

『所得税確定申告の基礎と実務』(日本公認会計士協会)の受講メモ。

今回は基礎編について書く。

イントロ(実務上のTIPS)

  • クライアントから聞いた情報からしか判断できないので、網羅的な「質問状」を作成し、状況把握を事前に行う。
  • 国税庁の確定申告書等作成コーナーはよくできているので、自分でやりたいようなクライアントにオススメするのも一つのやり方。

基礎編

所得税の特徴

暦年課税

原則、暦年課税。出国時・死亡時は、準確定申告が必要。

分離課税

分離課税は20%なので、富裕層(総合課税55%)にとってはだいぶおいしい。

所得税とその他の税金

贈与税

2月1日から3月15日までに申告・納税を行う。

所得税確定申告を行う人の判定

  • 申告が必要な人
  • 申告で得する人(医療費控除、ローン控除、年末調整済)

課税所得・税額計算

ふるさと納税

返礼品は「一時所得」になるので注意。税務調査では、返礼品の価値算定が論点となる。

10種類の所得分類

事業所得

  • 農漁業、商・工業、その他の事業から生じる所得(山林所得・譲渡所得に該当するものを除く):総合
  • 事業規模の株式等の譲渡・先物取引からの所得:申告分離

不動産所得

  • 土地・建物、船舶・航空機などの貸付から生じる所得:総合
海外不動産についてホットな話題

最近、アメリカで不動産を買って損を出すというトレンドがある。背景としては、アメリカの建物の鑑定評価額は建物の割合が高く、例えば、西海岸のような気候の良いエリアで木造建築の築十数年の物件があれば、税務上4年とかで償却することとなる。この減価償却費は損益通算できることに加え、譲渡時の譲渡所得は分離課税となるため、富裕層からすると税務上のメリットが大きい。

しかしながら、こういう行き過ぎた減価償却は、すでに会計検査員に目をつけられており、実際の税務調査で否認されたりしているのでオススメできない。

利子所得

  • 預貯金の利子などの所得:源泉分離
  • 国債の利子・MMFの収益分配など:申告分離
  • 国外で支払われる預金等の利子:総合

配当所得

  • 法人から受ける剰余金の配当、公募証券投資信託の収益の分配など(申告分離課税を選択したもの以外):総合
  • 上場株式等に係る配当、公募証券投資信託の収益の分配で申告分離課税を選択したもの:申告分離
  • 特定目的信託の社債的受益権の収益の分配など:源泉分離

給与所得

  • 棒給や給料、賃金、賞与、歳費などの所得:総合

雑所得

他の9種類に当てはまらないものは全て雑所得となる。仮想通貨は雑所得。

  • 国民年金、厚生年金など、その他の所得に当てはまらない所得:総合
  • 業として行う、株式等の譲渡、先物取引からの所得:申告分離
  • 一定の割引債の償還差益などの所得:源泉分離

譲渡所得

  • ゴルフ会員権や金地金などの譲渡による所得:総合
  • 土地や建物、借地権、株式等の譲渡による所得:申告分離

一時所得

  • 生命保険の一時金、賞金や当選金などの所得:総合
  • 保険期間が5年以下の一定の一時払い養老保険や一時払い損害保険の所得:源泉分離
生命保険と相続税

生命保険を自分にかけると、死亡時に相続税の対象(みなし相続財産)となってしまう。相続人を受取人としておけば、その相続人の一時所得として処理することができる。

山林所得

  • 所有期間が5年を超える山林を伐採して譲渡したことなどによる所得:申告分離

退職所得

  • 退職金、一時恩給などによる所得:申告分離
退職所得の住民税

退職年の1月1日の住所が判定基準となる(翌年の1月1日ではない)。

損益通算

対象所得

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 山林所得
  • 譲渡所得

給与所得が多い人は、これを利用して節税したいというインセンティブが働く。

不動産所得での注意点

  • 別荘等の生活に通常必要でない資産の貸付に係る損失:対象外
  • 土地を取得するために要した負債の利子:対象外
  • 一定の組合契約からの匿名組合員に係る損失:対象外

Source

  • 第14回 開業するなら知っておきたい税務実務研修会 『所得税確定申告の基礎と実務』(日本公認会計士協会)

兵庫県西宮市生まれのフリーランスRailsエンジニア。海外を拠点にデジタルノマド生活中。/ 前職・資格:公認会計士 / プログラミング言語:Ruby, JavaScript, HTML, CSS / 日本語・英語
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