小規模会社の株主総会簡略化パターンまとめ

はじめに

1人株式会社や株主数の少ない非公開会社を前提に、株主総会の簡略化パターンを整理する。

簡略化のパターン

全員出席総会(簡略度★★★)

株主全員が集まったときに、株主全員が株主総会を実施することに同意した場合、招集手続なしに開催する株主総会。

テレビ会議、Skypeなどの方法で、遠隔地にいる株主を参加させることも可能なため、株主数が少ない場合、利用することができる簡略化の手段。

なお、遠隔地にいる株主が、どのような方法で株主総会に参加したかについては、議事録に記録しておく必要がある。

根拠

最高裁昭和60年12月20日判決

書面決議(簡略度★★)

株主総会を実際に開催することなく、書面のやり取り(書面決議)のみで株主総会決議があったものとみなすことができる制度。

流れとしてはまず、取締役の決定により株主総会決議事項を株主に提案することを決定する。

決定内容に基づき、全株主に提案書と返信用の同意書を送付。フォーマットは以下が参考になる。

全株主から同意書を回収し、株主総会議事録を作成する。フォーマットは以下が参考になる。

なお、株主による同意書の回収方法は、メールでPDFファイルを添付してもらう形でOK。

根拠

会社法319条1項 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。

招集手続の省略(簡略度★)

株主全員の同意がある場合は、招集通知書面等の提供なしで株主総会を開催することができる。

同意の方法について具体的な定めはないようだが、後々争いにならないように、以下のような同意書を株主から入手しておく。


引用元:『株主総会招集手続きが省略できるケース

根拠

会社法300条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第298条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

所感

全員出席総会は「全員いるんだから招集通知なくても問題ないでしょ!」という結果論的な制度なので、法的には問題ないのだろうけど、開催が必ず必要な定時株主総会の簡略化手段として用いるのは若干気持ち悪さが残る。また、株主数が少し増えた場合に全員出席し続けられるか?という問題もある。したがって、実務的には「書面決議」で運用できる形を作っておいた方が無難だと思う。

Sources

兵庫県西宮市生まれのフリーランスRailsエンジニア。海外を拠点にデジタルノマド生活中。/ 前職・資格:公認会計士 / プログラミング言語:Ruby, JavaScript, HTML, CSS / 日本語・英語
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